デジタルとソロバン
平田 周 IT経営研究所所長



情報化時代の潮流が私たちの周りに渦まいていますが、その意味するとこ ろはつきるところデジタル化ということです。情報がデジタル化されること で、文字、映像、音などをすべて融合して送ることが可能になるほか、伝送 速度が早くなり、加工や貯蔵などが容易かつ正確にできるようになります。  デジタルとは何なのか。物質をアトムの世界だと呼べば、デジタルはビッ トということになります。ビット、それは0と1で表される世界です。電気 であればオン、オフにあたります。定規の目盛りのような連続した量ではな く、ツブツブだということに特徴があるわけです。

 ところで、私たちの身の回りにあるものは、そのほとんどがデジタルでは なくて、アナログのものです。文字も絵も、図形も色も、みなそうです。残 念ながら人間にはデジタルは見ることができません。コンピュータもアナロ グで入力し、デジタルで処理されたものを、再びアナログで表示してもらわ ねば、さっぱりなのです。

 しかし、ソロバンというのは不思議なものです。ソロバンの珠は置かれて いる位置で0か1を表しています。まさにデジタルを目で見ることのできる 唯一の道具だといってもいいでしょう。そろばんの名手は、さしずめコンピ ュータだということになるわけです。人間の歴史のなかで、最も古くからあ るソロバンがデジタルだというのは面白いですね。




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