そろばん質問箱
- 質問1. そろばんに通常使用されている珠の材質は何が多いですか?
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答え
通常,カバ珠と言われているものが一般的にそろばんに多く使われています。 カバの中でも斧折樺(おのおれかんば)と言い,斧が折れそうに堅(固)い樺と言う意味で,それだけ固い材質であるということです。
赤樺、白樺と言うのは幹の外側が白となり,内側が赤樺と言うことになっています。 もちろん赤樺の方が幹の中心ゆえ,より堅く狂いが少ないとも言えます。 その分,値段も高くなっています。普及品は白,高級品は赤と使い分けています。樺の他に櫛などにも使われる柘(つげ)も好まれています。
- 質問2. 23桁や27桁など長さに種類があるようですが,どちらを買うのが良いのでしょうか?
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答え
地域によって27桁と23桁の使い分けが行われていますが,現在,珠算塾では一般的に23桁が使われています。つまり複雑な掛け算、割り算になっても23桁で十分と言うことです。 そろばんの桁数は奇数となっています。 これは両方から数えて、真ん中に定位点を設け、そこから両方に定位点を打ってゆくためだからです。 最近では持ち運びに便利なように15桁から17桁のものがよく出るようになりました。
- 質問3. 価格も3,000円からといろいろありますが,高額なものは確かに音や,珠の動き方が違うようですが,どの当りを使用したら良いでしょうか?
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答え
まず、値段によって珠材,枠材などの材料が違います。 また,作りも良く見ていただくと判りますが,高いものの方が手がかかっています。裏板と言われるようなそろばんの裏に板があったり,その裏板にまた加工してあると言うようなことです。
それにそろばんはオートメーションでは出来ません。一人一人の職人が組立てる部分がまだ沢山あります。その職人の腕の違いが微妙にそろばんに表れます。
- 質問4. 初めて購入した時,そろばんの珠が少し軽く感じるのですが?
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答え
これは使いこなすうちに調整されるものです。例えば万年筆が買いたては調子が悪く,手に馴染まないものが書き込んでいくうちになめらかになるのと同じです。
初めから調子が良いものは梅雨時になると動かなくなってしまうものもあります。
- 質問5. そろばんのクリーニングはできますか?
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答え
素人の方にしていただくのはメーカーとしてお薦め出来ません。 我が社のクリーニングを利用していただきますと動かなかった珠などが滑らかに動くようになります。
そろばんのクリーニングは3,000円以上から承っております。
- 質問6. そろばんの取扱いについて教えてください。
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答え
そろばんは湿気を一番嫌います。そこで、濡れた手でそろばんを決して触らないようにしましょう。
また、使い終った後に乾いた布で拭いておくと次に使用するときに使いやすくなっています。 そろばんは生きています。使う人が愛情を持ってそろばんを扱っていただくと次の代までもそろばんは使えます。
- 質問7. 昔、おじいちゃんが使っていたそろばんがあるのですが、枠は一部壊れ、珠も真ん中が動きにくくなってしまっています。もう使えないでしょうか?
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答え
そのようなことはありません。 珠だけ動かない場合は当社のクリーニングをお薦めいたします。
また、枠が壊れてしまっている場合はその珠を利用して、新しいそろばんに作り変えることが出来ます。是非当社へご相談ください。見違えるように新しいそろばんに生まれ変わります。
- 質問8. 外国のお土産にそろばんを持っていこうと思うのですが?
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答え
良いお考えです。当社の海外通販では全世界よりお問い合わせ・注文が寄せられています。
特に、インテリの方々には日本のそろばんに興味を持っていただけるようです。また、インテリアの一部としてお使いになる外国人の方もいらっしゃいます。
我が社では各国語の説明書もご用意しております。 (英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、エスペラント語 1部300円)安価なそろばんとポストカード、説明書がついた海外お土産版もご用意しております。ご利用ください。
- 質問9. 割り算九九は、どのようなものですか?
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答え
割り算九九は下記の通りです。
- 質問10. 視覚障害者珠算検定とはどのような内容ですか?
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答え
そろばんのもっともすぐれている点は、指で計算できるところです。電卓も一見、指で計算するみたいに見えますが、答えは画面上にしかあらわれないため、目が不自由な人は使いこなせません。盲学校では、小学校3年生から算数の時間にそろばんがとりいれられ、珠算と暗算の勉強に役立っています。
珠算能力検定で有名な日本商工会議所は、全国盲学校長会といっしょに年1回、目の不自由な人のための珠算検定試験を行っています。
この資格は学校を通してしかチャレンジできませんが、全国各地の盲学校で募集しています。
一度、日本珠算連盟事務局へお問い合わせ下さい。
電話03-3518-0188(代表)
- 質問11. 「ごはさんで願いましては」と言う意味と語源を教えてください。
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答え
そろばんは江戸時代に中国から伝わったものですが、当時、数字は漢字で表現しましたので、縦表記、そしてそろばんは横に計算すると言うので、大変計算しにくかったそうです。そこで、数字を読む人(読み手)とそろばんを計算する人の二人がいて、初めて計算が出来ました。(因みに見取り算が出来るようになったのは算用数字が入った明治になってからです。)
そこで、読み手の人が「では一つ、これから計算をお願いします」という意味で「願いましては」という言葉が生まれました。
同時にごはさんでという言葉は珠算用語で、そろばんを払いゼロにすると言う意味があるとのことです。
- 質問12. 普通そろばんというのは、梁があって、上に5を表す玉が1つ、下に1を表す玉が4つなのですが、以前下に1を表す玉が5つあるのを見かけました。これは、どのように計算するのですか?
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答え
そろばんは500年位まえに中国から日本へ伝わりました。その頃のそろばんは珠が丸く、梁の上に五珠が二つ、そして梁の下の一珠が5つありました。そしてそのそろばんをもっと速算に向くように、珠をシャープにし、不用な珠を取り除いたのが、梁の上に五珠が一つ、梁の下に一珠が五つのそろばんです。このそろばんは江戸時代から昭和の初めまで使われていました。ところが、昭和10年当時の文部省の省令で現在のそろばん(上が一つ、下が四つ)と変わりました。
現在のそろばんは、数の仕組みを勉強する意味で大変すぐれています。というのは一桁に1~9しか表現出来ないので、必然的に隣の位へ移行しなくてはなりません。これは丁度、数字を表現するときと同じです。そろばんを習っている子どもは「じゅういち」を「101」と表現する子は居ません。
その意味から、十進法、位取り記数法を理解する上ですぐれた教具として世界で広がりつつあるのです。
昔のそろばんの使い方ですが、現在のそろばんと同じです。ただ、そこに珠が残っている(いわゆる空珠があるか否かの違いです)かどうかで、感覚的に違うようです。そのため、今でも年配の方から「五つ玉のそろばんありますか」とのお問い合わせがあります。
- 質問13. 初めてそろばんを覚えようと思っていますが、そろばんのやり方(大人用として)がわかる本はありますか?
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答え
「大人のそろばん塾」日東書院 B5版 定価1,200円+税が出版されております。全くの初心者から昔そろばんをやったけれどという懐かしさでそろばんに触れてみたい方々にぴったりです。オンラインSHOP商品一覧の書籍に掲載中です。
- 質問14. いつから、下の珠が4つになったのですか?理由を教えてください。
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答え
昭和10年(1935年)の教科書改定に際して「算術教育の大綱」がつくられ、小学校でそろばんが必修となりました。その時に五つ玉から現在の四つ玉になりました。
その理由ですが、5つ目の珠はあってもなくても意味のないもので、不要な珠を取り除いたと考えられます。現在の上の珠が一つ、下の玉が四つの日本のそろばんは位取り十進記数法にかなうすぐれた数教材といえます。そのことから今や中国本土でも日本のそろばんの形態即ち下の玉が四つのものが使われています。
- 質問15. 中国のそろばんを見ましたが、上の五つ玉が二つで下の珠が五つありました。何故ですか?
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答え
明の時代、目方の単位として1斤が16両だったので、1桁に15までおける五珠が2つ下の一珠5つの中国そろばんが重宝だったというわけです。十進法が発達した現在は中国でも日本のそろばんの形態が使われています。
- 質問16. 同じ樺珠を使っているのに価格が違うのはどこが違うのですか?
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答え
価格が高いそろばんほど、同じ樺珠でも幹の中心の樺珠を使います。何故なら中心ほど古い年輪の部分にあたるわけで、それだけ狂いが少ないと考えられるからです。また、そろばんはそろばん職人と言われる人が最終的に組み立てるのですが、職人の腕のレベルによって、価格が決まってしまいます。また、構造的にも価格の高いそろばんは裏に裏板といわれる、棒ではなく板がはまっているというように細工の違いがあります。
- 質問17. 見取り算で答えのマイナスになる問題がありますが、これはどのように計算すればよいのですか?
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答え
被減数<減数の計算方法
[例](№) (問題) (ソロバン面)
(1) ¥ 280 280
(2) 50 330
(3) 4,535 4,865
(4) 610 5,475
(5) 20 5,495
(6) -3,700 1,795
(7) -95 1,700
(8) -2,260 99,440
(9) -440 99,000
(10) -1,080 97,920
答 -2,080
(7)までは普通のように計算できるが、(8)を引くことができない。(7)の計算を終わったときは1,700で、(8)の2,260が引けない。そこで10×n乗を借りてから(8)を引くのですが、この場合、10×n乗を、被減数の最上位から1位上位から借りて計算すればよいが、普通は被減数の最上位から1桁とんで上位の10×n乗を借りて計算した方がよい。ソロバン面は99,440となる。
つぎに、(9)(10)を普通のように計算すると結果は、97,920となり、さきに借りた10×n乗(100,000)に対する補数、すなわち、-2,080を答とすればよい。
この場合の10×n乗は、10,000でも差し支えない。しかし計算が複雑になると、これでは誤りやすい。
<暁出版(株)発行 珠算事典(昭和31年5月10日発行)より>
- 質問18. そろばんの日っていつですか?
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答え
8月8日です。昭和43(1968)年から制定されました。
「パチパチ」ということでそのようになっています。
- 質問19. 海外での珠算指導に興味があり、珠算のことを質問できる団体や集まりを教えてください。
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答え
下記団体が海外での珠算指導を目的としております。
国際珠算普及基金 〒176-0002練馬区桜台6-18-17
電話・FAX03-3991-5721
また、青年海外協力隊(JOCA)からトンガへ毎年隊員が派遣されておりますので、参考にしていただければと思います。
- 質問20. そろばん教室を開きたいのですがどのような資格が必要ですか?
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答え
そろばん教室を開くのに、資格は特別に必要ありません。ただし、生徒の育成、情報収集などのため、全国珠算教育連盟や日本珠算連盟等への加入が必要となります。お電話を明記しておきます。
日本珠算連盟 03-3518-0185 / 全国珠算連盟 03-3875-6636(東京事務局)
それぞれ入会条件が異なると存じますので、お問い合わせください。
- 質問21. 検定試験の何級を受けるという目安はありますか?
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答え
検定試験レベル早見表
級 見取り算レベル かけ算レベル わり算レベル
珠算10級 2ケタ5行 2ケタ×1ケタ ―
珠算 9級 2ケタ5行 2ケタ×1ケタ ―
珠算 8級 2ケタ8行 3ケタ×1ケタ 3ケタ÷1ケタ
珠算 7級 2ケタ10行 2ケタ×2ケタ 4ケタ÷1ケタ
珠算 6級 3ケタ10行 3ケタ×2ケタ 4ケタ÷2ケタ
珠算 5級 4ケタ10行 3ケタ×3ケタ 5ケタ÷2ケタ
珠算 4級 5ケタ10行 4ケタ×3ケタ 6ケタ÷3ケタ
珠算 3級 6ケタ10行 小数かけ算 小数わり算
暗算10級 1ケタ3行・1ケタ4行・1ケタ5行 ― ―
暗算 9級 1ケタ3行・1ケタ4行・1ケタ5行 ― ―
暗算 8級 1ケタ3行・1ケタ4行・1ケタ5行 ― ―
暗算 7級 1ケタ3行・1ケタ4行・1ケタ5行 ― ―
暗算 6級 1ケタ4行・2ケタ1行 2ケタ×1ケタ 3ケタ÷1ケタ
暗算 5級 1ケタ2行・2ケタ3行 2ケタ×1ケタ 3ケタ÷1ケタ
暗算 4級 2ケタ5行 2ケタ×1ケタ 3ケタ÷1ケタ
暗算 3級 3ケタ5行 3ケタ×1ケタ 4ケタ÷1ケタ
※珠算10と9級は同じ問題で、200点満点中とった点が60点以上なら10級、120点以上なら9級になります。暗算10級から7級までは同じ問題で、500点満点中とった点が250点以上なら10級、300点以上なら9級、50点以上なら8級、400点以上なら7級になります。
詳細は日本珠算連盟へ(東京都支部 電話03-3213-1721)
- 質問22. 子どもが左ききなのですが、そろばんを弾くときはどうしたらよいでしょうか?
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答え
計算しやすさという点では、やはり右手で弾いた方が計算しやすいと考えます。
しかし、特にお子様で右手に矯正することより、多少計算しづらくても左手で弾いた方が負担が少なく、楽しくソロバンを学習していただけるのでしたら、左手で弾いてもよろしいのではないでしょうか。
(珠算塾の先生方にはそれぞれご指導の方針がございます。珠算塾への入塾をお考えの方は、先生にご相談ください)
- 質問23. 5,000円と10,000円の商品はどう違うのですか?使いやすさはじきやすさに違いがあれば教えてください。
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答え
高額品になるに従って、珠や枠の材質が年輪を経た木の中心部の硬い部分で均質な素材を使用しています。また、軸竹も年輪を経た竹の表面部分を使用し、高額商品になると数十年以上自然乾燥させた「スス竹」を使用しています。
使いやすさ、はじきやすさに関しては、軸竹を「ロウ」で磨いてあるため使い始めは珠の動きが軽めに出来ていますが、1、2ヶ月ご使用になれば適度な運珠調子が出てきます。
- 質問24. 読み上げ算のときに、数字の最後に「~円なり」とつけるのは、なぜですか?
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答え
算盤の伝来は室町時代で、広く庶民に普及したのは江戸時代と言われております。それからは築城、築堤に関する計算等にも使われましたが、やはり商用計算、お金の勘定に使われることが多かったため、今でも読上算の時に「円」を単位にして読上げるのだと思います。
「也(なり)」に関しましては、「数ごとに『区切り』入れるため」と暁出版(株)「珠算事典」(昭和31年発行)に記載されております。
- 質問25. 子どもにそろばんを習わせたいと思っていたのですが、いつ頃習わせるのが最適ですか?
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答え
算盤を始めることにあたり、お子様に基本的な数の概念が出来ていることが大切です。
数を100まで数えることができたとしても、物の個数「5人」、「5羽」、「5個」に共通する「5」という抽象的な数の概念を理解することは、子どもにとってきわめて難しいことと言われております。
まずはそういった数の概念を「お皿を○枚取って」と言う具合にご家族やお友達との日常生活や遊びの中で十分に養うことが必要かと思われます。
また、お子様が年長さんくらいになれば大体そろばん学習を始めても心配のない、5玉や位取りの概念もきちんと理解出来るような数の概念が身に付いて来るようです。
- 質問26. 小学校4年生ですが、そろばんを習うのに遅すぎませんか?
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答え
小学4年生なので、始めるのが遅いということはございません。実際、中学から始めて2級、1級また段位までをも取得するお子様もいらっしゃいます。
もちろん、個人差はありますが全ては本人の努力次第です。特にそろばんは、本人の努力(練習量と集中力)が結果として数字ではっきりと表れますので、計算力の習得はもちろんの事、努力することの大切さを身をもって体験することができます。全ては本人次第です。
- 質問27. そろばんはどのように数えるのですか?
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答え
お豆腐を数えるように、そろばんを1丁と数えます。また、ものの本には、そろばんを1面と数える場合もあるようです。
- 質問28. 現在高校生なのですが、そろばんに興味を持ったのでやりたいと考えています。高校生では、遅すぎるでしょうか?
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答え
何事も学ぶのに遅いということはありません。そろばんはやればやるほど上達が目に見えるので、やろうという意思さえあれば、楽しく学べるものです。
暗算に関してはやはり小さい時よりやった人にかなわないということもありますが、それは人によります。イメージするのが上手な人は年齢に関係なく、暗算も上達すると思います。
一番大事なのはやる気です。是非始めてみてください。
- 質問29. 商工会議所のそろばん(珠算)検定試験を受けたいのですがどのようにして、どこで申し込めばよいのですか?
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答え
商工会議所の検定試験は、全国統一の基準により実施していますので、試験問題や実施時間、採点基準などは全国どこでも同じです。そのため、受験申込はお住まいの地域でできます。ただし、受験申込先は、各地の商工会議所となります。
詳しくは商工会議所検定ホームページへ